文字サイズ:

助走期間ブログ

現在“助走期間”なフジキの日々を報告いたします。

登録日時: Jun 2009

“システム”には美が必要。

800px-sandro_botticelli_046

美しいデザインがそれほど重要ではない…と言われたり、そこまででは無いにしても「美しいデザインが、あれば良い」が、優先度は技術的な部分の方が高い…逆に言えばデザインの優先度は低いと言われる経験も少なくない。もしくは美しさは軽視しないが添え物的な認識でしか無いことはもっと多々ある。

チャーチマンは「システム・アプローチとその敵」という著作の中で、システムが健全に機能するためには、倫理と美が備わっていなければならないと書いている。

[中略]

たとえば、よい橋と呼ばれるためには、適切な材料を用いて適切な設計を行い、強度が出るように建設するという、品質の倫理を備えていなければならない。また、たとえよい橋であっても、美しくなければ撤去されてしまったり、修繕してもらえなかったりするものだ。したがって、システムを構築する際にはこの二点が最も重要になるが、実際には考慮されないことがほとんどだとチャーチマンは嘆いている。

––––– 「成功して不幸になる人びと」より

顧客“満足”度 調査…というフレーズはよく耳にするが、ある意味プロとしてはお客様に満足はしてもらって当たり前であり、それ以上のこと…顧客“感動”度がこれからさらに上を目指すためには必要になってくる。上記の引用でいけば、修繕を繰り返し、永く使っていきたくなる橋になるには、単なる橋として用を足して満足…ではなく、感動させるモノを作る必要がある。

感動させるモノ作りやサービスを提供し、そしてその感情を自社の企業ブランド、もしくは商品ブランドとリンクしてもらう仕組み作り。そのブランドで選択してもらい、新たな感動を生むことによるポジティブ・フィードバック。そういったカタチ、そういった“システム”を構築する上でデザインができる仕事は相当に大きなモノだと考えている。

上記のようなフィードバックを作るためにはまた、デザインだけでは無力だ。チャーチマンの言う倫理…内容が伴って行かなくては、途中で顧客は「騙された」と思うだろう。明確なビジョン、美意識の元に両輪が組み合わさっていることが大事になってくる。
もちろん言うのは簡単だが、実行は難しい。美しく感動させるプロダクト・ビジネスを回すためには、極論として企業の“システム”すらも美しくなければならない…と考えると、並大抵の努力ではないだろう。ただし、今後のサバイバル、企業競争にはかなり必要な要件だと私は考えている。
実は今回はかなり自戒がメインの投稿。自分の妥協心を抑制し、いかに常に情熱を持つか…ということをもっと考えて行かなくてはいけないとの思いを自分にも言い聞かせている。