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助走期間ブログ

現在“助走期間”なフジキの日々を報告いたします。

登録日時: Mar 2010

プレゼンテーションZen – シンプルでもっと伝わるプレゼンのために

プレゼンテーション Zenという本を読んだ。これはパワポで作られた箇条書きだらけの「ありがち」なプレゼンではなく、本当に内容が伝わるプレゼンを行うために、よりシンプルでかつ感情に残るカタチ、方法について提言、さらには具体的な手法の解説をする内容の書籍。また翻訳書ながら日本在住の筆者は題名にもなった禅や柔道、さらには弁当のような日本的なモノを例に語っているところも面白い。

僕は少し前は営業担当者用のプレゼン用スライドや資料制作などをお手伝いすることが多く、その中でどうすればお客様に「伝わりやすい」内容にできるかでかなり悩んだこともある。そうしたコトから、ヒントを得ようと何冊かプレゼン制作のための本を手に入れたが、この本が一番心に残り、またチャレンジしがいのある内容ではないかと感じた。特にビジュアル・コミュニケーション関連内容が優れていると感じた。そうしたアプローチに関心のある方には良い資料になると思う。

[主な内容]

  1. 準備 – 何を伝えたいか?を明確にする
  2. デザイン – シンプルかつエモーショナルなプレゼン制作を行うために
  3. 実施– どのようにプレゼンテーション本番を実施するのか

1. 準備 – 何を伝えたいか?を明確にする

何をどのように伝えたいのか?それをまず最初にキチンと考えて、アナログ的にシナリオを練らないと、プレゼンテーションは到底うまくいかないと同書は指摘する。情報発信者自身の頭の中がクリアでないならば、受け手は間違いなく理解不能。可能な限り要点をシンプルに、そして伝わりやすくするためにはどうすれば良いか?これをプレゼンテーションの資料やスライドなどを作成する前に徹底的に組み立てる。

同書ではプレゼン内容を可能な限りシンプル化し「エレベーターテスト」…つまり30秒程度の短い会話でも伝えられるくらいまで入念な要点の検討、シナリオ準備をすべきであると指摘する。そしてパソコンを使ってPowerPoint等に向かうのはその後である、と。

2. デザイン – シンプルかつエモーショナルなプレゼン制作を行うために

同書は、スライデュメント…スライド兼ドキュメント(配付資料)の制作物を作るべきではないと指摘する。大抵のビジネスの現場はまさにコレを制作し、プレゼンする者はそれを読み上げるカタチが極めて多い。それ自体が誤りだ、と。
スライドはあくまでもプレゼンのスピーカーを補佐し、受け手の記憶に残ることを最大限に考慮した内容、そして配布資料はスライドとは別の役割(より詳細な情報の提供…これがあることでプレゼンやスライドをシンプル化できること)を持たせるべきである…つまり別々に用意することを強く推奨している。

デザインは欠くことの出来ない要素である。それは情報を整理し、メッセージをわかりやすくする方法であり、説得力を高める手段でもある。

その上でスライド自体は伝えたい内容が明確なS/N比が高いこと…つまりノイズが少ないクリアなデザインであることを推奨し、極めて一般的な各スライド毎に会社ロゴが入るデザインすら見直すべきと提言している。
またデザイン面ではビジュアル指向で写真などを効果的に利用し、テキスト情報を抑えるアプローチを提案している。また余白はレイアウトに気を配り、受け手がプレゼン内容を記憶するための様々な手法について説明している。実際にどのようなデザインを行えばよいのか?という点について、豊富なサンプルと共に詳しく説明を行っているのが本書の大きな特徴

3. 実施– どのようにプレゼンテーション本番を実施するのか

さて、準備もでき、制作物もそろった状態で本番に挑むことになる。その際の心構えとして同書は剣術や柔道などを例にして説明している。

  1. 自分自身、及び自分の置かれた現状を注意深く観察する。
    他者や、周囲の状況をじっくり見極める。
  2. 何事に関しても先手を取る。
  3. 十分に考慮した上で、決断力を持って行動する。
  4. 限度をわきまえる。
  5. 中道を行く

上記は嘉納治五郎の柔道5原則だそうで、またプレゼンテーションの原則としてもマッチしているという。
プレゼンテーションは単なる一方通行の発表の場ではなく、相互コミュニケーションの場、さらには意志決定のための場…それだけに相手を意識した本気の勝負…というキモチが必要なのかもしれない。

まとめ

書籍「プレゼンテーションZen」の内容を極めてシンプル化して行ってしまえば、スティーブ・ジョブズ的なプレゼンを作る方法となるかもしれない。シンプルで説得力のあるグラフィック、そして何よりも発言者、そして発表内容が受け手の記憶に残るよういちばん情報が引き立つための手法…ということ。

特に「プレゼンテーションZen」で紹介された内容、特にグラフィックの制作に関してはいままで説明されている書籍は希だったと思う。をストレートに自分の仕事に生かすも良し、部分的にでも取り入れてちょっとでも「ひと味違う」プレゼンをするためのヒントにする上でも役立つ本だ。