助走期間ブログ
現在“助走期間”なフジキの日々を報告いたします。
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登録日時: Jul 5 2009

「PLANNING HACKS!
」や「IDEA HACKS!
」などで評価が高く、また私も楽しんで読むことが出来たHacks!シリーズの最新刊「整理HACKS!
」小山隆介 著が出たので、早速買って読んでみた。単に部屋や仕事場の机の整理方法に留まらず、様々なライフハックのアイデアが掲載されており、「整理」というキーワードに惑わされない「ライフハック本」だと認識した方が良いかもしれない。
また、以前のHacksシリーズと比べてもiPhoneやクラウドのネットサービスを活用するハック手法の紹介が増えており、より参考になる人もいるだろうし、逆にちょっと自分には合わないかも…と思ってしまう場合もあるかもしれない。
書類整理ハック手法に関しては、PFU SnapScanによって書類、書籍などはデジタル化してしまって紙モノはすぐに捨てる。またデータはSugarSyncなどのクラウド系サービスにより「いつでも・どこでも・iPhoneでも」また、別サーバに持つことでデータ消失リスクも少ない点などが挙げられたりしている。他にもEvernoteやGMailの利用ティップス等々。
正直、ある程度の規模の会社に勤めていると、そう簡単に外部サービスを使う事がコンプライアンス上などの理由でできない可能性がある等、若干以前よりもハックをする人を選ぶ傾向が出てきたかな?という感じだ。逆に、私の場合はそうしたサービスを既にパーソナル目的でガンガン使い倒している方であるため、そうした情報の必要度はそれほど高くはなかった。
どちらかと言えば、紹介されているような各サービスをそのまんま使いこなすか?というより、その根本のコンセプトである、データをどのように持ち、どのように活用すれば効率的か?という部分を参考にして、自分の環境に当てはめてみる…という1ステップ踏んだハックの応用を考えた方が良い。
もちろん、他にも不要な本はどんどん捨てることで、整理できるだけではなく、もっと本を買おうという気に自分をさせる方法や、報告書の書き方、果ては上手な通販の使い方など「すぐに役立つ」系のハックもいくつも掲載されている。(それが「整理」なのか?という疑問は置いておいて)
こうしたHack系の本は、1つか2つ自分に合うヒントが得られればそれでOKくらいの気楽な気持ちで読んだ方が良いのではないか?と思っている。そうした意味で、私はこの本で紹介されている89+1のうち、応用する事も含めて8コ使えそうなアイデアを見つけたので、まぁ元は取った方かな?と思う。
最後のおまけ的ハックとしてPokenを利用する事が紹介されていた。既にネットユーザーの間で話題も一巡した感じのある電子名刺Pokenだが、こうした本に紹介されて普及が進むとPoken利用可能な機会が増え、利便性が高まるかもしれない。ちなみに私はPokenを手に入れよう…と思いながらいつも買いそびれていたので、ちょっとこの機会に手に入れてみるのも悪くないか?と思っている。
[参考リンク]シゴタノ! — 『整理HACKS!』-進化したライフハック
登録日時: Jul 4 2009

書籍「影響力の武器」と、その続編の「影響力の武器 実践編
」の2冊をまとめて読み終えた。これは私たちが「自分のアタマで判断している」と思っていても知らず知らずに、何らかのカタチで影響を受けている様々な事について説明。販売・マーケティングや勧誘などテクニックに使われていること、また様々な事例・実際の調査から、私たちにはどのような「バイアス」が潜んでいるか?の謎解き、そしてどうやって人を誘導するのか?といったテクニックを明らかにする内容。
例えば、何か簡単なモノ、試供品などを見込み客にまずあげる事で、相手に“何か買わなくてはいけない”という意識にさせる返報性を利用することや、常に一貫した状態でありたいという意識を利用して、1回OKなら次もOKだよね?というように相手から同意を得る…といった方法などが紹介されている。正直に言って、私としてはこうしたテクニックをバリバリに使って他人を騙して大儲け!という方向性にいくキャラではないのだが、自分が実は持っている認知バイアスや「リファクタリング・ウェットウェア」で言うところのバグを「既知」にしておくのは有意義な事だと思う。
書かれている内容でそのまま使えるかな?と思ったのは、「さりげなく能力を際だたせる」という章で自己宣伝を第3者に頼むということ。例えば顧客に対してプレゼンをする場合などに、自分から「この技術の専門化で、この道15年。これほどの実績があり〜」と言うよりも、同行している同僚が自分の事を紹介をした方が全然説得力が何故かあるというモノ。同僚なので利害は実際には一致しているのだが、それでも自分で自画自賛する時よりも相手が納得しやすいという事。背景には「根本的な帰属の誤り」と心理学者が言う傾向が理由だという。
また、この本で解説されている内容により、全然別の本で書かれているテクニックに「そういう意味があるのか〜」とわかった事もある。例えば、経験則的に自分の目標を、ちゃんと肉筆で書いておき、時々それを見る事で目標達成ができるようになる、というアドバイスがビジネス書などでよく登場する。これは「積極的コミットメント」と同書では呼ばれ、単に頭の中で「こうしたい」と考えるより、「こうします」と書き出すことが自分で自分に対してコミットメント…約束をしたという事になり、常に目標への意識がとても強化されることが理由だそうだ。
「影響力の武器」、「影響力の武器 実践編
」で書かれている人間の様々なバイアス…確かにそれを悪用することは問題外だが、なるべく摩擦を無くして他の人とうまくやっていくために、変に他の人から誤解を受けないようにするために、そして変な勧誘に間違っても引っかからないようにするためにも、人間の持つ既知の不具合をちゃんと知っておくことは有意義だと思う。どんなに便利になっても、最終的には人と人の関係で世の中回っている訳だから。同様な内容を扱っている書籍「予想どおりに不合理
」も含めて、この3冊は知っておいた方が良い内容が結構ある良書。
登録日時: Jun 30 2009

「コネクタ」というタイプの個人能力がある。専門技能がある、リーダーシップがある…といったいわゆる能力の1つ。多くの様々な種類の人と繋がっていることで、全く別世界のある人とある人を紹介して会わせることで新しい事を生み出す、シナジーを引き出しお互いの仕事をうまく成功させるWin – Winな事を起こす…といった事をおこすためのコアになる能力。
また「アイデアのちから」や「急に売れ始めるにはワケがある」では情報の伝搬において重要なハブになるタイプの人物として描かれていた。
本書「一生モノの人脈力」は、超一級の「コネクタ」…つまりスーパーコネクターの筆者キース・フェラッジ氏が、人と知り合いになる事、繋がることについて同氏の考えていること、行っていることをまとめた内容となっている。人脈というと普通は「俺はあそこの会社のキーマンと昵懇」とか、「どのくらい業界の実力者と知り合いか」など…といった印象が個人的にはある。そういうベタな営業的行動が不得意の私から見ると距離を取りたくなる事の1つがいわゆるハウツーとしての「人脈形成」。しかし、読後の印象として同書著者のアプローチはそんな浅いモノではない筋金入り ––– 人との繋がりこそ全て!と情熱を燃やしている、私とは大きくベクトルの異なった人物の話だった。
お金がないことだけが貧しさではない、自分の成長を手助けしてくれる人がいないのも、貧しさのひとつなのだ。
同氏は貧しい家庭に育つものの、父が勤務先CEOに交渉して有名私立校奨学生になる…といった事を手始めに、様々な人現関係に助けられてMBA取得〜ビジネスエリートの道を歩むようになる。著者はそうした経験から、成功した人ほどその人達同氏で助け合っているとの認識を持つようになる。
結果、人脈作りは何より大切なビジネス・スキル、生活スキルだと考えている
との信念のもと、多くの人間関係構築に非常に大きなエネルギーを使う。そして筆者はようこそコネクターの時代へ
、とこれからの仕事は人間同士の繋がりを持つことがより重要になってくると説く。そのためにはお互いに与え合う関係を作ることが肝心、そして受けた以上のことを与えるようにするという寛大な姿勢を持つべきという。
正直、私は同氏のような人脈第一!というライフスタイルは馴染まないかもしれない。ただフェラッジ氏のような「コネクター」が非常に強力な1つの才能、…そうした人の持つ能力・パワーに対して、もう少し認識を深くしていきたいとは考えている。
登録日時: Jun 28 2009

現在、茂木健一郎の本など、「脳をどう活用するか?」という本がよく出ており、一種の「脳ブーム」。そんな中、コンピューター関連の技術書で有名なオライリーという米国の出版社から「リファクタリング・ウェットウェア
」という本が出版された。普通の脳活用本と違うのか?一緒なのか?興味があるところだ。
ちなみに書籍名のリファクタリングとは、プログラムの外部から見た動作を変えずにソースコードの内部構造を整理することを示すプログラミング用語
、そしてウェットウェアとは右耳と左耳の間にある、生体情報処理組織…つまり脳を意味する。
筆者は「達人プログラマー」という本の共著者で、アジャイル開発分野などで有名というアンドリュー・ハント氏。ソフトウエア開発現場の視点から、どのようにして自分の脳を開発し、学習や効率化に活用するか?を述べている。
本エントリの内容
同書でまず最初に紹介されているのが、ドレイファスモデル ––– ある分野が初心者から達人に移行するに従って単に能力が違うというだけではなく、認識の違い、取り組み方、メンタルモデルや学習方法にも変化があらわれるといい、初心者、中級者、上級者、熟練者、達人の5段階において異なった仕事の仕方を求めることが必要と説く。このモデルはパイロット分野で調査され、特に看護師の能力開発に応用されて成果をあげたそうで、実際ググると看護師養成カリキュラムなどが多くヒットする。
ドレイファスモデルでは、初心者にとってはマニュアルやレシピ、ディシジョンツリーなどミクロに関する情報が非常に有用であるのに対して、上級に至るほどマニュアルに無いことの問題解決能力・全体を見る力が備わってくる。さらに最上級の達人になると直感が働き、理論的に説明できなくても「何かがおかしい」などと感じられるようになる…という域になるとのこと。
逆に熟練者、達人に対してマニュアルを強制することにより、パフォーマンスを著しく下げる ––– せいぜい中級者程度まで落とすことになるという。達人の勘=非言語的能力をすべて制限することが理由とか。メンバーの能力総和よりチーム全体の能力が低くなる現象など、よく聞く組織問題の1つの側面かもしれない。また、自分が未熟なことに対して無自覚 ––– つまり初心者級なのに上級者だと勝手に自覚しているなど、要は「自分が無知であること」を分かっていないという状況を同書では「二次無能力」と呼び、相当に意識のバイアスが入ってしまう点にも注意を呼びかけている。
達人になるに従って出てくる、なんとなくココがおかしい…などの勘、どこからかわき出てくるアイデア、そういったものの源泉は?どう強化すればいい? そうした件について同書では脳のLモードとRモードという仕組みモデルを提示する。
LモードはLinear…論理的処理、言語処理を行うモードであり、RはRichの略で非線形、非言語、空間認識、パターン認識などの処理を行う。両者は同時に意識化されず、1つが優勢ならもう1つがバックグラウンドに隠れるとか。そして達人の非言語的能力はRモードに由来するという。
このあたりになると若干「非科学的」、「オカルトちっく」な匂いがしてくるかもしれない。よく言われてきた右脳思考方法だったり、潜在意識領域の利用方法などという事になる。
一方で間違いなく、仕事の勘やうまく言葉で説明できない感覚、なんとなく閃いたアイデアといったものは存在する。これをどうやって活用するのか? MBAなどでも紹介されているモーニングノート(朝起きたてのLモードが非活発な時に自分の考えを書く)ことや、散歩・迷路散策などでLモードを抑えRモードを活発化する具体的な手法を提示してくれている。
尚、同書の紹介方法の特徴は、Rモード万歳!潜在意識のみを徹底活用!という事ではなく、いかにしてRモードで手に入れた非言語情報をLモードに落とし込み、最終的に活用できるカタチするか?という事が大事だそうだ。L、Rどちらかのモードではダメ、2つの要素を同期する事がポイント。ただしLモード利用が現実的に理解を得やすいのに対し、Rモード活用への理解が進んでいないためRモードに関する説明が先行するという。いずれにしても、このLモード・Rモードに関する説明が本書のキーポイントだろう。
一方、脳にはどうしてもバグというか、トラブルの元となるいくつかのバイアスがあると言い、これをどう回避するか?これにどう対応するか?がもう1つの課題だと述べている。
認知バイアスにより、自分に都合良く解釈するなど、実際のこととは違うカタチで認識してしまう…事実を歪んで見てしまう事。世代間による気質の違いによる潜在的なバイアスも無視できない点だと指摘している。
さらに興味深かった点としてはトカゲの論理…つまり人間の脳の奥には爬虫類脳というような生存のための脳があり、その部分が逆に人間活動に悪影響を与える ––– 具体的には支配欲、縄張り、威嚇など宜しくない行動のベースになっている事を紹介している。(同様の記述は全脳思考にもあった) 同書ではこうした脳のバグという面を十分に認識した上で前述のRモードを活用するようにと言っている。
このように「リファクタリング・ウェットウェア」は一線級のエンジニアが書いたというちょっと特殊な脳に関する本。ドレイファスモデルによる達人の説明の切り口は斬新な点があったが、他の部分では様々な経営・企画に関するビジネス書、デザインや発想の本などで出てくる「発想/言葉にできない感覚をどう捕まえればよいか?」という点と似ている事柄も少なくない。
それでも私がこの本を気に入って紹介する理由として、論理性が重視されるとはいえ、エンジニア自身がパワフルになるためにはやはり発想・創造性が非常に求められる点をあらためて強調した事、そして本書も含め様々な分野からRモードとか潜在意識など一見怪しげな話が最近出てくるのは、そこに何か共時性・可能性があるせいかもしれないな…とも思っている。もしかすると、後数年後には「潜在意識、非言語情報は活用して当たり前でしょ!」という状況に切り替わっていくのかもしれない。
また、この類の本をあまり読んだことのないエンジニアなどの方々にとっては、エンジニア視点から書かれているので、読みやすいという効能もあると思う。
登録日時: Jun 24 2009

今回紹介するのは「全脳思考
」という本について。帯のあおり文句は若干怪しげで“カリスマ経営コンサルタントの10年間を凝縮した、思考テクニックをついに公開!”とある。これを真に受けるかどうかはともかく、ポイント・ポイントではかなり示唆に富む内容で、想像以上に面白く読め、参考になる事も少なくなかった。
結論から先に言えば、消費動機が「自分らしさを追求する」にシフトしており、そのためには商品・サービスの背景に「物語」が必要になってくる。そしてその物語はどうやって作るのか?という手法・概論…といったところがこの本の私が感じたポイントと思う。
従来から言われていたマーケティングのためのフレームワークAIDMA(もしくはAIDA)に変わって、ネット時代のAISAS…つまり広告などプロモーションで商品などを気になったら、ネットでいきなり検索し、購入後に感想をSNSなどで語り合う(そしてクチコミで評価が拡がる)というカタチに切り替わっている(AISASは電通が提唱)。
私はAISASに関しては「そんなモノかもね」とぐらいしか以前から思っていなかったが、同書ではこれからはそれが加速するのではないか?と実体験を踏まえて語る。つまり、消費動機が今までの機能重視(より豊かな生活をしたい)や自己顕示(自分をよく見せたい)から、本当の自分らしいもの、本当の自分を表現する手段に変わってきたこと。
確かに、上記傾向は自分自身の消費行動を考えても合点がいく…私もイノベーションを感じさせる物語を持ったモノを周囲において自分自身をイノベティブにしていきたいという考えが、どこか自分の消費動機の根底にあり、このブログを見てもわかるようにそうした“自分らしい”モノ・コトに対する情報を共有しようとしている。そして、その“自分らしい”共感できる事は何か?と言えば、製品・サービスの背後にある「共感できる物語」。
物語は単なるマーケティング的に作られたものでは、顧客の心に響かない。ホンモノである必要がある。同書では例としてGoogleの「“最高”に甘んじない」姿勢、キッザニアの「子供たちが主役となる国」の物語、パタゴニアの環境保護意識の物語、iPhone(特に説明は要らないよね?)などを挙げ、そうした自分に合った深い物語と出会うことで、「自分らしさ」消費が行われ、それは他の人にも話したくなる…そしてそうした物語はより多くの人に触れられる機会が増加する…というポジティブ・スパイラルになる。
では、どのようにして物語を作り出していくのか? そして人の印象に残り、かつ自分らしいと共感してもらえる物語は?という事で、同書では神話からハリウッド映画まで普遍的に展開される「人間が受け入れやすい物語」の構造を下記のように提示し、それをフレームワークにして作り出していく方法を提案している。

上図のような物語の構造…これに対して、同書ではまず、[1]物語が終わって「顧客が120%ハッピーになった」エンディングをイメージし、[2]物語の一番最初の不満足な日常考える、それから[3]クライマックスを考え、それらを包括する物語を作り出していくのがよいと言っている。また人を惹き付ける物語は上図のように3つの盛り上がりがあって、最初の段階を「へぇ」(認識が変わる)、次を「ほぉ」(新しい変化への対応)、点と線が繋がるクライマックを「なるほど!」とくるようにすると良いという。
同書では、実際にその物語のフレームワークを埋めていく思考法としてU字理論、TEFCAS、CPSなどを紹介するほか、深層背景など様々な、時には怪しげな(?)考え方も提示する。また上記の物語が商品企画に限らず、スピーチやプレゼンテーション、さらには実際のプロジェクト業務の流れに至るまで利用可能という応用も含めて、実に450ページの厚手の内容となった。
私は筆者の若干オカルト的というかインナートリップ的というか、その方面の言及が苦手だったりするが、一方で上記の自分らしさ消費やそのキーになる物語については、かなり頷く点が多い。同書はすべての点で参考になるか?と言えば「?」をつけるかもしれないが、少なくとも本エントリで紹介したパートに関しては「共感」できた部分が強い。「自分らしさ」を求める消費動向→共感を得るための「物語」→物語を作り出す具体的方法…という内容について。何か企画を行う際に、とても良いヒントをもらったと感じる次第だ。
現在助走期間中のクリエイティブ・ディレクター/Webデザイナー。このBlogは期間限定で、仕事のことをはじめ、さまざまな考えていること、日々行っていること等を紹介します。どうぞよろしくお願いします。
本ブログ以外に、以下のSNSサービスによるコミュニケーション・情報発信などもしています。ご興味のある方は是非ごらんになってください。
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