助走期間ブログ
現在“助走期間”なフジキの日々を報告いたします。
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登録日時: Jun 11 2009

パーソナルブランディングという事を本ブログでも何度か書いている。
今回は「エクセレント・カンパニー」という本で一躍有名になったトム・ピータースが書いた「トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦〈1〉ブランド人になれ!
」という本について書いてみる。一般的にパーソナルブランディングというと、経営者・起業家もしくはフリーランスなどを対象にするが、こちらはホワイトカラーが対象読者。
「ブランド人になれ!」では、ホワイトカラーの立場においても、同じ会社に勤め続けるスタイルは崩壊し、会社に依存する生き方は無効になった。ある意味これからは普通の会社員・ビジネスマンと言えどもフリーランス、フリーエージェント的に動く必要がある…そしてそのためには自分を確固たるブランドに仕立て上げなければサバイバルできないと説く。
これまでは無名ですごせたが、これからはそうはいかない
という事だ。会社勤めをしているとしても、例えば自分は株式会社フジキであり、そのCEO フジキである…という意識を持ち、自分をどう付加価値の高い商品にできるか?そして名前をブランド化できるか?という事に力を注ぐ時代だという。
自分のブランドを作り出す具体的な方法として、人のネットワーク形成、ネットなどによるアピールから、少し前に本ブログでも取り上げたような「変わった肩書」、などの方法はもとより、一番大切な自分の強み、競争力、差別化ポイントといったものをきちんと明確化し、それを積極的にアピールするという事をしていかなくてはいけない。
このようにプロ/フリーエージェント化したホワイトカラー達の働き方は、相当にプロジェクト指向を強め、まるでGoogleでの各プロジェクト運営のような、もしくはハリウッドの映画制作のように各プロフェッショナルがプロジェクト毎に離合集散を繰り返すというイメージだろうか。
そしてそうした環境で仕事を得て、また活躍するためには、より自分を売り込むための能力が重要視されることになる。そのためには、既に広く認知されている状態にならないと、つまり“その他大勢”ではなく、その筋(どんな小さな市場でも)では有名…つまりブランド人であるという立場にならないと生き残れないという事だ。
同書筆者はアメリカ人で、米国の状況がベースにあるため、「日本ではそこまでは…」という部分も少なからずあるし、ホワイトカラーのフリーエージェント化も日本ではそこまで進んではいない(外資は除く)。とは言え、終身雇用など今までの雇用慣行が日本でも崩壊しており、今後は周回遅れ的に米国式の弱肉強食…というか日本の社会も適者生存な環境になっていくのは容易に想像できるのではないか?
実際に国内のビジネス本セールスなどでも、ここ数年はより個人スキルを上げ、よりプロとして仕事をする勉強本のニーズが高まっているという話を聞く。
さて、その際に不味いカタチでビジネスマン達がフリーエージェント化を指向すると、前回紹介した「不機嫌な職場」的な個々人がバラバラになり、組織としてのコラボレーションが機能不全になるという事に陥りかねない。
一方で、映画、プロスポーツなどを考えれば、強烈なプロ意識・フリーエージェント意識とチームでの共同作業は両立可能だろう。ただし、今までとは違ったカタチでのチームによる仕事を考えて行かなくてはいけない…モチベーションも意識もいままでとは違う。そういう意味でGoogleは素晴らしい成功例だろうが、すべての人たちがGoogle社員のような天才達ではない。
ブランド人になる人たち、なれない(ならない)人たち、それをどうまとめて1つのチームとして機能させるか? これからのチーム作り仕事はいままでとは違ったレファレンスが必要になってくるのかもしれない。
登録日時: Jun 6 2009

昨年に話題になったベストセラー「不機嫌な職場
」を、いまさらながら読む。
なぜ多くの会社で社員同士が協力できないギスギス環境になったか? なぜ社員間の繋がりが薄く社員は孤独感を持ってしまうようになるのか?…そうした状況がストレスで社員の心身の健康を害する、さらには業務効率の低下を招き、様々な大問題の火種になっている。こうした状況の根本的な原因は、個々人の資質よりも組織の問題、構造的な問題だという。
組織の力は「個人の力」と「個人間のつながり」のかけ算
、従って個人間のつながりの強い組織を設計・デザインをしていく事は経営マターであると同書は説き、その解決策をケーススタディなどから探る。
[本エントリの内容]
社会的に協力できるためにはどのような要素があるのか?そのために同書で提示されたフレームワークが以下となる。
では、何故協力しあえない、ギスギスとした会社になったのか?に関して、同書では以下の仮説が挙げられている。
企業の成果主義導入、効率アップのための仕事の高度化・専門化を背景に、各部署・各個人の業務内容が分断化される傾向にあり、これを同書はタコツボ化と呼ぶ。
また、旧来行われていた社員旅行や運動会などの社内各種イベント、同期会などの様々な機会で形成されていた人との繋がりが減少し、評判情報流通…人と人が垣根を越えて知り合う機会が失われる。
さらにリストラや倒産リスクなどで、会社が面倒を見る[終身雇用]←→会社(という共同体)に貢献する というインセンティブが大幅に低下した。逆に各個人はスキル開発 自己投資の方向性により強いインセンティブを見いだす。
上記のように各人・各部署がタコツボ化した役割構造になり、かつ各人が知り合いになる・認知する機会がなくなり評判情報が流通しなくなる。そして共同体への協力モチベーションも低下する傾向にある…こうした要素が重なって、会社という共同体への繋がりが希薄な、不機嫌な職場が形成されていくという。
このように不機嫌な職場となってしまう状況を再活性化し、各人が協力しあえるようにする方法として同書は集団的なコミュニケーションの促進
が重要と言い、具体的対応策をグーグル、サイバーエージェント、ヨリタ歯科クリニックといったケーススタディから探る。
特にインセンティブに関しては重要と思う。これからの企業が社員個々の「生活を保障する」事は難しいからだ。変わって同書「不機嫌な職場」では自己認知欲求がかなえられる事を大きなインセンティブにすることを提示している。現在の社会は自分を認めてもらう機会がない「認知飢餓社会」であり、逆に言えば認知はかつてないほど大きな効力感を人々に与える力を持っている
という。お互い認めあえるような共同体、自己認知を満足させる共同体作り…という点が、非常に重要になってくるのではないか?
「不機嫌な職場」が多くなっていくのは、個々人の問題よりも構造的な問題の方が遙かに大きい。逆に言えば、それを踏まえた上で組織を構築していく、組織をデザインしていくという事が非常に重要なポイントなのだろう。とはいえ、同書によれば紹介されたケーススタディでも効果が出たと感じるまでどこも約3年かかった…というコメントを紹介しており、取り組みは中長期的視点で行う必要がある。そう簡単な特効薬は無いという厳しい現実でもあるのだろう。
中国人が日本の会社について語った「日本人は一人ひとりはそれほど強くないが、集団になると龍になる」というコメントをどこかの雑誌で読んだことがある。自分の会社を龍にできるのか?もしくは龍を作ろうとしている会社に今いるのか? コラボレーションによるパワーを発揮できる会社のグランドデザインをもっと真剣に考えなくてはいけない時期に来ているのだと思う。
登録日時: Jun 2 2009

予期せずに、場合によっては意図的な仕掛けをしないのに、何故か突然話題になる、流行になる、爆発的に売れるようになる…。時にロケットスタートのように物事がブレイクする時があるのは何故なのか?どういう事なのか?そして再現することは可能なのか? クチコミによって瞬く間に拡がっていってしまう現象を伝染病感染ネットワーク的観点から、仕組みを解明しようというのが、本書「急に売れ始めるにはワケがある」だ。
米国のある地域での梅毒の流行、誰も見向きもしなかった昔ながらの靴ハッシュパピーがブレイクした事、ニューヨークの犯罪件数の劇的な減少…といった様々なケースが、実は本質的に同一の仕組みで動いていると筆者は言う。まずそうした事が起きるには構成要素として以下のものが挙げられており、理想的な形でそれらが揃うことで一気にブレイクする現象が起きる…これを筆者はティッピング・ポイント(Tipping Point)と呼んでいる。
インフルエンサーは、“伝染病”を様々な場所に拡大させる、影響力のある運び役のこと。ほんの少数の人が爆発的な広まりに多大な影響を与える。クチコミ関連の書籍を読むと、よく影響力のある人に積極的にアプローチして広めてもらう方法を考える…というような話が出てくる。本書で興味深かったのは、このインフルエンサーには以下の3種類あり、それぞれの役柄があるという。(尚、ケースによっては、一人で何役もこなすという場合はある)
コネクターとは人脈の広い社交性の高い人、それも様々な分野に人脈がある人。それによってある分野から別の分野へ“伝染させる”経路を作り出す。
通人(メイヴン)とは、ある分野に強烈に詳しく、かつ社交性を持つ人。イノベーター/アーリーアダプター層と、アーリーマジョリティ層への橋渡しを行う。
セールスマンとは説得能力の高い人。物事の「信頼性」アップにも貢献する。
こういった3者が揃うことで物事の“感染”が一気に広まる。
病原体の潜伏期間の拡大など性質変異により、もっと感染が広まりやすくなるように、情報に何らかの「粘り」要素ができる事によってネットワーク途中で欠落することなく、情報の“感染”力が強まる。ほんの少しの違いで驚くほど感染力が高まる場合もあるという。
情報の粘りに関して、同書ではセサミストリートなどで児童の集中力を高めるかなどのケースが具体的なサンプルとして掲載されていた。私見では、この本で残念ながら一番ピンとこなかったのが、この粘りをどう作るか?という部分。この点に関しては以前に紹介した「アイデアのちから(原題 Made to Stick)」に非常に多くの方法論が述べられており、具体例はそちらを参考にすると良いと思う。
ニューヨークの犯罪率を大幅減少させた「割れ窓理論」に代表されるように、背景・環境が変化することの、人格への影響力は想像以上に多大であるという話。これはバイアスが多少かかる…という生やさしい事ではないという研究結果も出てきているという。割れ窓理論では些細な荒んだ環境が犯罪を増大させるように、ある特定のポイントを突くことでかなりのレバレッジがかかるという。
同書では個人の性格は確固としたものではないと結論する。性格とはむしろ、習慣や志向性や関心の束のようなものであり、それぞれゆるやかに結ばれ、時と場合と背景しだいで変わる
という、ように背景・環境による影響力はきわめて大きなものであると指摘している。
上記のように「急に売れ始めるにはワケがある」では、様々な具体例や調査結果を提示しながら、何故急速に広まるのか?というクチコミの原理をわかりやすく説明し、非常に参考になる本だった。一般消費財のプロモーションに関わっているワケでは無いので、バイラルプロモーションの仕掛け人になろう…などと思う事は無いが。ティッピングポイントを構成する様々な人間の心理・行動に関しては、純粋に知識としてもとても面白く読める内容だ。
登録日時: May 30 2009

「アイデアのヒント
」は著者ジャック・フォスター氏が大学で広告の授業で教えていた
アイデアとは何か、アイデアを生み出すにはどうすればいいか
という内容を1冊の本にまとめられたものだ。もちろん基本的にはアイデアを出すためにはどういう考え方をすれば良い?といった事が書かれているが、読み進めていくうちに、1つの生き方…どうやってクリエイティブに生きるか?に関する一種の自己啓発本的な雰囲気も出てくる。
アイデアとは何か?という根本的な問いに対して、同書は本ブログでも以前に紹介した書籍「アイデアのつくり方」での説明を紹介している。
アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない
というもの。また、アイデアをどう生み出すか?についても同様に「アイデアのつくり方」であげられた“アイデアが作られる段階”が基本的な手法であると述べている(助走期間ブログ » アイデアのつくり方参照)。では、もっと具体的にどのような取り組みをすれば良いのだろうか?気になった箇所や内容を以下に挙げる。
つまるところ、「楽しんでやった人ほどよい成果をあげる」というのは、何に対しても通用する真理である。アイデアを手に入れることに関しても同じことだ。
答えはたくさんあるとわかったとたんに、答えを見つけられることができた。
自分はアイデアの源なんだというセルフイメージを持つ。
あなたの心はそこへ到達する道を考え出してくれる
すでにアイデアが手に入った状態をイメージする。
変化に富んだ広範囲にわたるデータベスを構築する。
周囲のものを「見える」ようになり、「見た」ものを記憶できるようになる。
拒絶されることへの恐怖が「アイデア工場」を操業停止に追い込んでいる
アイデアをたくさん考えよう。
その問題は何に見えるだろう?何に似ているだろう?
問題解決をさまたげる傷害を作ったのはあなた自身だ。
自分を制限するものと苦闘するところから創造という行為は生まれる
ある分野を停滞させる一番手っ取り早い方法は、外の世界のアイデアをまったく取り入れないこと
まったく知らなかった楽器を演奏してみよう。
問題を作ることはしばしば問題を解くことより大切である
問題を言い換えてみるだけで正解への道が開け、さまざまな解決法が浮かび上がってくる
何か見過ごされている関連性や大切な情報があるはずだ。
結果として問題に関連する情報が向こうからやって来る。
分析はあとでゆっくりしたらいい
一つの問題から離れるときは、ほかの問題に取りかかろう。
壁にぶつかっている問題を無意識下で考える一方、意識の上では別の問題を考える。
「アイデアをもっているが、そのアイデアを使って何もしない」のと「まったくアイデアをもっていない」のは同じことである。
何かをしよう。それも毎日だ
使いそうな言い訳は「燃やして」しまおう
たいていの場合、人は失敗しない。挑戦をあきらめてしまうだけだ。
アイデアに関してもテクニックは勿論あるのだろうが、アイデアを量産していくこと、そしてクリエイティブな人であるためには、当然どうやってクリエイティブに生きていくか?ということも考えなくてはいけない。上記ではポイントを拾っていったが、同書では具体的なアプローチが書かれている。例えば、あるライターは9年間毎日通勤に必ず違う道を使うことで普通の人の一生分より多くのロスアンゼルスを見たという。このように「やろう」と思い立ち、実行に移すことで、上記の様々なポイントをクリアできる。毎日クリエイティブな姿勢で生きる、蓄積を行う…それが長期的に大きなリターンになるという事だ。(こうした姿勢はアイデアやクリエイティビティに限ったことでは無いだろう)
上記に限らず、同書に書かれる様々な事例が、単に学問としてアイデアを考えるのではなく、実際に広告マンとして常にクリエイティブである必要に迫られる、著者の肉声であり、クリエイターとしての姿勢を見せつけられる。アイデア関連の他書に比べても非常に参考になる点が多い書籍と感じる。
登録日時: May 27 2009

ブランディング ––– 製品、会社、さらにはパーソナルブランディングに関して興味を持っていろいろと本を読み始めている。本日読んだ本は「企業を高めるブランド戦略」という新書。マーケティング的には素人な部分が多いにある私には、まずはブランドとは何か?何がどう必要なのか?に関する基礎知識を得るための入門書が欲しく、Amazonで書評などを読み入手した一冊。
同書ではブランドとは何か?、新しいブランドを作るアプローチ、成熟ブランドを活性化させる方法、企業ブランド構築についてなど、知りたいと思う事の概略を一通り説明してくれており、何となくブランドについてわかった気にさせてくれる。もちろん、実際に仕事で活用する際には、さらに細かい知識や実際のケーススタディなども調べなくてはならないのだろうが、まず最初の一歩として非常に読みやすい内容だったと感じる(読了後により専門的なアーカーの「ブランド・ポートフォリオ戦略」やケーラーの「戦略的ブランド・マネジメント
」など、敷居の高そうな書籍も注文、継続して勉強していく予定)。
特にビジネスでは、ブランドと企業イメージ戦略、商品プロモーションが若干混在して語られる場合がある。「企業を高めるブランド戦略」では、ブランドは売れ続ける環境を作り出す
ための消費者に認知をしてもらうことであり、ライフサイクルの長いロングセラーを作り出していくアプローチであるという。またそのブランド管理とは認知によって「購入され続ける」前提条件
を作っていくことだという。
つまりその商品、シリーズ、事業、企業がどのようなモノか?という事が消費者に対して非常に明らかに表現され、また消費者から認知されている…という事がブランドであり、そして消費者がブランドのファンになってくれる事で、商品やサービスが購入され続ける、ロングセラーになるというブランドのメリットを享受できるという事だ。
ブランドに関しては一般消費者向けの商品・サービス、特にファッション関連…という誤解がまだある。しかし、いわゆるBtoBもしくは産業財ビジネスでも今後はブランドが求められていくという。評価が不明な製品・サービスの場合は専門家は企業ブランドを手がかりにして購買を決める
ことになる点、また取引コスト削減から取引対象を絞る傾向があり、名前の知られたブランド
との取引が相対的に増加する点などが挙げられている。
いままでブランドに関して無頓着であったBtoB系や中小企業も、今後はブランドというものは決して無縁な事では無いという事なのだろう。
ブランドに関して、同書のあとがきにあるブランドとは危機の産物である
という著者の説明で腑に落ちた部分が多くある。不況で自分を見失いそうになった時、もしくは海外進出などで自分もしくは事業の意味を見失いそうになったときにブランド構築、ブランド管理に目覚める。つまりブランド構築・管理は企業にとって何よりも「主体性」の再確立なのである
という。
私がどこかブランドに関して(仕事と密接というワケではないのに!)関心を持ち始めたのは、昨年来の市況の激変から、とりまく環境も、自分の仕事も大きく変わったことが大きな要因なのだろう。これからどのように仕事をしていくにしても、会社、事業、製品など様々なレイヤーでアイデンティティの確立をクリアにできないと、これからは淘汰されてしまう可能性が極めて高いという事なのだと思っている。逆にブランドを構築していくことで、今後に状況が上向きになった際には、よりパワフルなビジネスを作り出せるという事であり、私にとってはもしかするとチャンスあり(?)な事もあるのかもしれないと考えている。
現在助走期間中のクリエイティブ・ディレクター/Webデザイナー。このBlogは期間限定で、仕事のことをはじめ、さまざまな考えていること、日々行っていること等を紹介します。どうぞよろしくお願いします。
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